番外編

名古屋にあるヤマザキマザック美術館で、贅沢なひと時を。

名古屋市にある、おすすめの美術館の1つのヤマザキマザック美術館で、フランス近代絵画の作品が主に展示されている。
ヤマザキマザック美術館 館内 (美術館ホームページより)

名古屋に旅行や出張などで訪れて、少し時間が出来たら是非訪れてみたい所が、名古屋の中心地にあるヤマザキマザック美術館。高いビルの上階にある同館では、フランスのロココ美術から新古典主義、写実主義、印象派、そしてエコールド・パリの絵画までがずらりと展示されている。天井の高い館内では作品がゆったりと展示されており、まるでヨーロッパの美術館にトリップしたような気分が味わえる。美術館は市内のメインの地下鉄の東山線の新栄町駅から直結しており、名古屋駅や栄駅からもとても行きやすい。

同館の作品をいくつか紹介。まずは、同館の代表的な作品であるロココ美術の代表的な画家、フランソワ・ブーシェによる大作『アウロラとケファロス』。

名古屋市にある、おすすめの美術館の1つのヤマザキマザック美術館の代表的な所蔵作品のフランソワ・ブーシェによる『アウロラとケファロス』。
フランソワ・ブーシェ『アウロラとケファロス』c1745 ヤマザキマザック美術館
中央の女性が女神アウロラで、左に描かれているのが美少年ケファロス。

ギリシャ・ローマ神話を題材にしたもので、曙(あけぼの)の女神アウロラが狩りをしてた美少年ケファロスを見初めて、彼を誘惑し、連れ去る場面を描いている。ギリシャ・ローマ神話の中でも、ヨーロッパでよく描かれてきたテーマだ。物語の行く末は悲劇で、新婚のケファロスは妻を忘れられず、アウロラを拒絶したが、ケファロスを疑った新妻が森の中に隠れて彼をつけている所を、ケファロスは獲物と間違って弓で射ってしまう。

名古屋市にある、おすすめの美術館の1つのヤマザキマザック美術館の代表的な所蔵作品のフランソワ・ブーシェによる作品『アウロラとケファロス』と同じテーマのナンシー美術館のブーシェによる作品。
フランソワ・ブーシェ『アウロラとケファロス』c1733, ナンシー美術館

ちなみに、同画家によって描かれた同じテーマの有名な『アウロラとケファロス』が、フランスのナンシー美術館に所蔵されている。

下の絵は、静物画や風俗画を描いたことで有名な17~18世紀のロココ時代のフランスの画家、ジャン・シメオン・シャルダンによる静物画『兎と獲物袋と火薬入れ』。狩りで捕まえた獲物であるウサギと、狩りに使う道具がテーマになっている。兎の毛の質感などが見事に表現されており、オランダ絵画のリアリステックな静物画の系譜を引くシャルダンの「リアリティ」を表現する技術力の高さを窺い知ることが出来る。

名古屋市にある、おすすめの美術館の1つのヤマザキマザック美術館の代表的な所蔵作品のジャン・シメオン・シャルダン『兎と獲物袋と火薬入れ』。
ジャン・シメオン・シャルダン『兎と獲物袋と火薬入れ』1736 ヤマザキマザック美術館

最後の一枚は、時代を下って19世紀に活躍した印象派の画家カミーユ・ピサロの作品を。印象派の画家らしく、ルーアンの夕日の波止場の風景を、明るい色彩や短い筆致を生かして描いている。夕日できらきらと輝く波や、ピンク色に染まった波止場、たなびく煙などの様子を穏やかに描き、夕日の波止場のワンシーンを捉えた美しい作品となっている。

名古屋市にある、おすすめの美術館の1つのヤマザキマザック美術館の代表的な所蔵作品のカミーユ・ピサロ『ルーアンの波止場・夕日』。
カミーユ・ピサロ『ルーアンの波止場・夕日』1896 ヤマザキマザック美術館

この他にも、ヤマザキマザック美術館にはアルフレッド・シスレーやクロード・モネの印象派の作品、ナビ派の大型の作品などフランス近代絵画も多数も収蔵されている。名古屋に訪れた時には寄ってみたいおすすめの美術館の一つだ。

✎著/ 種をまく https://www.tane-wo-maku.com


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